買取ビジネスを始めるには、古物営業法や特定商取引法などの法的な手続きが必要です。本記事では、最低限押さえるべき許認可・表示義務・本人確認のプロセスを整理し、見落としによるリスクも解説します。
買取店は「許可制」のビジネス
買取業は、中古品を買い取って再販売するという性質上、犯罪収益移転防止や盗難品流通防止のために法律で細かくルールが定められています。
そのため、開業にはまず「古物商許可」が必要です。
古物商許可とは
警察署(公安委員会)が発行する許可で、以下のような義務が発生します。
- 古物台帳の記録(取引履歴の保存)
- 本人確認(対面 / 出張 / 宅配で方法が異なる)
- 標識(プレート)の掲示
この手続き自体は難しいものではありませんが、運用を誤ると処罰対象になる点が重要です。
特に注意すべきは「本人確認」と「台帳管理」
買取業で最もトラブルが生じやすいのは、この2つです。
1. 本人確認
対面買取・宅配買取・出張買取では、本人確認の方法が異なります。
ルールを誤ると「盗品の買受け」と見なされる可能性があります。
2. 古物台帳
日付 / 氏名 / 商品情報 / 取引価格 等を記録します。
記載漏れ・記録方法の不備は指導対象になります。
オンライン買取・宅配買取はさらに注意が必要
宅配やLINE査定などの「非対面取引」は、特定商取引法・古物営業法・個人情報保護法が絡みます。
具体的には:
- サイトの「特定商取引法に基づく表記」
- 利用規約・買取同意書
- 本人確認の郵送 / 電子的確認
これらが正確に整備されていないと、
クレームや行政指導の対象となります。
リスクは「知らなかった」では避けられない
法律は「意図」ではなく「形式」で判断されます。
つまり、
誤っていた → 違法は違法
という扱いになるのがこの領域の特徴です。
特に、
- 本人確認の不備
- 台帳未記載
- サイトの法的表示の欠落
は初心者が最も見落としやすい部分です。
では、どうすれば安全に運営できるのか?
結論はシンプルで、最初に正しい仕組みを作り、それを運用すれば良いということです。
店舗ごとに必要な書類・表示・運用ルールをテンプレート化しておけば、日常の管理は難しくありません。
必要になるのは「サポート」ではなく「体系化」
重要なのはノウハウではなく、
再現性のある運用テンプレート
です。
次回は、そのテンプレートを活かす核となる「査定と真贋の仕組み」について解説します。
→ 【次回】査定はプロでないとできない?仕組みで補う方法

